機関紙「シャローム」より
2018年9月30日発行 №331 第2面

「金継ぎ」は、壊れた陶磁器を修繕する伝統的で独特な技法です。
まず、陶磁器の欠損部分を漆で接着します。
そして、修繕痕を金属粉で繕い、金色の修繕痕を器の美しい模様と見立て、
そこに芸術的な価値を見出すのです。
器に傷が出来ればそれを修繕して隠したいと考えるのが普通ですが、
「金継ぎ」は、根本的な考え方が全く異なります。
原作者の作品を尊重して変えることなく、
修繕痕は隠すのではなく、逆に美しく目立たせます。
過去の傷痕が美しい思い出となり、
経年で生じる劣化や傷に誇りを持つようになるのです。
「金継ぎ」の根底に流れる哲学は、世界の人々を驚かせました。
その哲学に、人生をあてはめて考えさせられたからです。
日々の生活の中で打ちのめされ、傷を負った時、
その酷い傷をなかったことにして隠すのではなく、
傷痕を美しい大切な思い出と変えることができるのです。
そして、その傷痕が私たちを強くしてくれるのです。

ペテロは、主イエスが一緒ならば、
牢であろうと死であろうと覚悟しているとまで、言いました。
しかし、実際に自分の命が危険に晒されたとき、
イエスを知らないとあっけなく裏切りました。
ペテロは人生最大の失敗を犯したのです。
しかし、聖書には、イエス様がペテロに失望した、
叱責したなどという記述は一切ありません。
後にペテロが復活の主に再会した際、
主を知らないと三度否定したペテロに、イエス様は、
あえて三度愛していると言わせることで、彼を癒しました。
そしてこれからの生き方を示し、希望を与えました。
ペテロは、復活の主イエスと会い、
決して忘れることのできない人生最大の失敗を
人生最高の出来事へと変えられたのです。
そして、希望を与えられ、彼は強くされました。

ペテロの失敗の記事から、
①失敗しても私たちは愛されている、
②傷痕は癒され、美しいものへと変えられる、
③私たちは強くされる、ということが分かります。
忘れることのできない、過去の失敗は希望へと変えられるのです。
そして、何よりも、イエス様は最も悪いものを最も良いものへと
変えることができるのです。
死の象徴である十字架を、私たちの救いの希望へと変えられました。

キリストも一度罪のために死なれました。
正しい方が悪い人々の身代わりとなったのです。
それは、肉においては死に渡され、霊においては生かされて、
私たちを神のみもとに導くためでした。
聖書(ペテロの手紙第一 3章18節)

イエス様とともに、希望ある素晴らしい人生を歩んでみませんか。

By izumi

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